高校教師の秋彦と冬子は、ある劇団の稽古場だった古い建物を新居に、甘い新婚生活をスタート・・・させるつもりだったが、新婚二日目に思いがけない同居人がいるのに気付く。それは南 真夏と名乗る女優の幽霊だった。初舞台の日に関東大震災で命を絶たれた真夏は、せめて一度舞台に立ちたいという夢にすがってさまよい続け、八十年近くもその稽古場に閉じ込められていた。
秋彦が中退した元教え子とともにミュージカルを上演しようとしているのを知ると、真夏はぜひとも参加させて欲しいと懇願する。でも、大きな問題が一つ。真夏の姿を見たり、声を聞けるのは冬子一人なのだ。そこで、真夏は冬子の体を借り、生まれて初めて知った<ミュージカル>に挑戦するが、明治生まれの彼女が張り切れば張り切るほど混乱が・・・。しかも、稽古が進むにつれ、真夏の秋彦への恋心も高まり、押さえきれなくなっていく。
不穏な気配の中、ついに公演の日がきた――。
スイセイ・ミュージカルがお贈りする、涙と笑いと感動のミュージカルに御期待下さい。